01/28/2003 12:00:00 PM
今月はアニメの話ばっかりしているような気がしますが、今日もアニメの話なのです。
ただ単に「ダメー」と叫んでいるのも無責任なので、何故そこまで『魔法遣いに大切なこと』の第三話が駄目なのか考えてみました。
・「役所の審査を通った正式な依頼がなければ魔法を使うことが出来ない」という規定があるが、その審査が適当。具体的な内容を示さない「私をニュースにして欲しい」という依頼を、役所が「魔法遣いが何とかしてくれる」という無責任な判断で審査を通している。
・研修中の魔法遣いが依頼を受けることにまったく抵抗がない。依頼人は「出身地方が同じ東北だから」という理由で研修中の人間に魔法を依頼することをその場で決めてしまう。研修中の人間でも魔法を使って良いのか(規定の問題)。研修中の人間に魔法を依頼することに不安はないのか(正式な魔法遣いに対する信頼の問題)。
・主人公が「ひとつの依頼にひとつの魔法しか使えないのだから、話し合って決めよう」と大見得を切った直後に、魔法を何度も使ってしまう。しかもそれがまったく実を結んでおらず、主人公たちが考えて行動したという印象は全く無い。また、「ひとつの依頼にひとつの魔法しか使えない」という規定を破ったにもかかわらず、主人公の師匠が役所に電話で怒られただけで済んでしまっていて、ここでも規定の意義が薄い。
・問題が主人公の意志や努力とは無関係に解決している。師匠が依頼主に説明もなく勝手に魔法を使用して決着を付けている。しかも、手元にある宝くじを目の前の依頼主のものと入れ替えるだけという、魔法の必然性をさほど感じない手段である。
・この話で主人公はまったく学ばず、成長せず、役に立たず。
…なんだかなぁ。私、『魔法遣いに大切なこと』は好きなんですよ、本当に。尚、このお話で一番わかりやすい「お金」の扱いに対する思慮の浅さに対しては、もはや無視の方向で。
一方、『ストラトス・フォー』。第四話もなかなかでした。
今まで自分に自信がなかった主人公が、自分が「やれば出来る子」だと気付いてやる気になったのが前回までのお話。ところが今回は、ライバルとなる訓練生に挑発を受けた主人公が暴走してしまい、その結果…というお話。
かつて周りから「あなたはやれば出来る子だから」と言われ続けたことに対する反動と、主人公に追い越されて憤慨する異性の訓練生からの腹立たしい挑発があれば、自分が「何でも出来る子」であると意地を張りたくなるのも無理はないでしょう。しかし、意地を張って暴走しては、失敗するのもまた当然。さて、主人公はこの失敗をどう受け止めて成長するのか楽しみです…って、ああ、主人公の思考が納得できる範囲なので安心するなぁ。がんばれよー。
しかし、主人公を挑発した訓練生の男の子は「俺は努力しているんだから、努力していないお前が俺より評価されるのはおかしい」といったことを主人公に言うのですが…気持ちは分かるけど、その気持ちは胸にしまっておいた方がいいよ。そのうち自分で自分がせつなくなるから。